2011年の新論文・エッセィ

(2011/02/02)  セザンヌ論――「近・現代」の虚構

セザンヌの絵画は、絵画市場では、大きな作品で、一点、すべて千万ドル(十億円)を越えており、すでに「近代美術の祖」としての揺るがない商業的位置を占めているかに見える。

(2011/05/02)  イタリアでの大災害についての講演

先日、イタリアで講演を二つしてきた。ひとつはボローニャ大学での「日本の美学」についての話であり、他方はサルデーニャのサッサリと言う都市の美術アカデミアでの「日本美術」の講演である。

(2011/05/16)  日本一の巨大な毘沙門天像

日本一、巨大で、造形的にも力強い、平安時代の初期の毘沙門天像が、岩手県の東和町にある、というと皆、怪訝な顔をします。

(2011/05/20)  NHK「写楽」番組への抗議

2011年5月12日夜9時からNHK BS103で「写楽」に関する一時間番組があった。これに対し、私は下のような文章の抗議文を、13日の朝にNHKの担当者(私も取材を受け、冒頭に私の古い映像が出ている)に出した。

(2011/06/06)  「写楽が北斎である」ことをむしろ裏付けた「写楽展」

平成二十三年に特別展「写楽」が東京国立博物館で開催された。

(2011/07/27)  東京裁判とOSS「日本計画」

いわゆる「A級戦犯」七人、「BC級戦犯」九三四人の死刑を含む「東京裁判」なる「儀式化された復讐劇」が行われてすでに六十年以上たつ。

(2011/10/20)  アドルノとフランクフルト学派批判(二) ――二十世紀を荒廃させたユダヤ・マルクス主義

中東問題がまた深刻になってきている。二十三年間続いたチュニジア・ベンアリ政権の終末から三十年間のエジプト、ムバラク政権の崩壊、

(2011/11/24)  文化を破壞する左翼「批判理論」の根源 ――アドルノとフランクフルト学派批判4 3

左翼の人々の間では、かつては「文化」を口にする者は、「保守派」の烙印を押されることを覚悟しなければならなかったという。