歴史は変わった――崩壊する戦後レジームの思想的・経済的牙城

7月21日の参議院選の結果でもわかったように、社会主義政党がすべて凋落したことは、国民の多くが急速に、彼らの偽善性を、理解したことを示している。国民は民主党に一度、政権をとらせるという試みをした後(これはそれまでの自民党の、優柔不断さへのお仕置きであった)、結局、これら社会主義志向の政党が、いかに現実の政治に不向きであるか、理解したのである。(共産党の倍増は、民主社会主義の無策に、愛想をつかし、かつての共産主義へのノスタルジーを、少数派がもっただけのことである)。

こうした結果は、日本の国民が、正常な感覚を、やっと取り戻すことができた、ということであり、この結果で、正常な保守的施策を、次々と安倍政権が推し進めなければ、彼らにまた批判されることになろう。もしそのような事態になれば、自民党に代わる、保守の政党が、本格的に必要になってくる。「たちあがれ日本」「頑張れ日本!」の動きが、次の段階で、さらに真剣味を帯びてくるであろう(もう日本で、左翼、右翼という言葉を使うべきではない。左翼幻想を持つ者は、ごく少数派に転落しているからである)。

金融のコントロールは不可能になった

ここで、この日本の動きを、世界史の中で考えてみよう。このような動きは、国際的な政治の動き、経済の動きと対応しているのである。

まず、2008年のアメリカの金融危機のことから始めよう。あの時、ベア・スターンズ、メリルリンチ、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、リーマン・ブラザーズなど、それ以前に世界の金融を牛耳った「投資銀行」は消えてなくなった。ゴールドマン・サックスは普通銀行に鞍替えし、メリルリンチはバンク・オブ・アメリカ、ベア・スターンズはJPモルガン・チェース銀行の、それぞれ傘下に入っている。私がここで個々の銀行名を上げたのは、それがみなユダヤ資本であったからである。この5年前のアメリカ経済上の動きは、ユダヤ金融資本の混乱と没落を如実に示していた。無論、「投資銀行的ビジネス」は消えたわけでないが、彼らの金融で、世界を支配しようとする試みは、もう不可能だと理解したのである。

要するに現在は、どんな巨大な資本家であろうと、金融をコントロールすることはできない、という事態が到来したのである。これまでヘッジファンドのようなハゲタカを容認してきたが、それが世界経済へ与える負の影響が強くなりすぎてしまった。このままいくと、金融が世界を滅ぼす寸前までいった、かつての世界恐慌のような状況に陥る可能性を、人々は自覚せざるをえなくなったのである。

なぜそれが日本の社会主義政党の没落と関係しているのか、と問う方々も多いであろう。20世紀後半の社会は、周知のとおり、ソ連に象徴された社会主義的思想と、アメリカの資本主義に代表される金融至上主義思想の両方によって導かれたと言っていい。一方は、社会が疲弊し、その社会主義理論も破綻したが、それは欧米諸国ではフランクフルト学派的な「批判理論」として延命した。この理論は、すでに社会主義の実現性を捨象して、常に資本主義社会を批判していく、という理論で、革新派の、学界、知識人を誘導してきた。それは「権力」「権威」を批判する理論でもある。「多文化主義」を主張する理論でもあった。多かれ少なかれ社会主義政党はこれによっていた。

他方は経済界の、「グローバリゼーション」「新自由主義」の名のもとに、金融で、世界を支配しようという試みである。これらは、経済において国境をなくし、政府による規制を撤廃し、資本の自由な移動を目指すものだが、その結果が、隣国の中国や韓国におけるように、外資による資本占領や資本逃避によって、混乱し窮乏していることを、日本人の多くは見て取っている。彼らの、「新自由主義」的思想やシカゴ学派の思考というのは、すでに誤りであることを知ったのである。それでもまだ、日本の経済界やマスコミ、大学の経済学者が、これらを信じているという事態を、すでに賢明な国民はあざ笑っているのである。

ユダヤの権力・権威を衝け!

つまり、これまでの世界は、イデオロギーと実社会の両方からの、ユダヤ人的思考に翻弄されてきた。一方はマルクス思想が元凶であり、他方はロスチャイルト家の志向が、継承されたと言ってよい。彼らは、20世紀前半の、悲惨なホロコーストの体験を、徹底的に利用してきた。ナチの全体主義を攻撃し、その悲惨さ、残酷さを強調することによって、戦後のユダヤやイスラエルの動きを批判するものを封じようとしてきたのである(日本も「南京虐殺」をしたかのように、事件を捏造しナチと同罪としようとしてきた)。

戦中のユダヤ人の犠牲よりも、その10倍も20倍も社会主義の名の下に犠牲になった一般人の悲惨な歴史を、彼らは無視してきた。彼らの「批判理論」は、こちらの方に向くことはない。彼らに比べると取るに足りないものとしてきたのである。

人々は、20世紀のこうした状況が、まるで多数派の思想によって、導かれてきたように錯覚してきた。しかしそれが、両方とも破綻することによって、やっと少数派の思想であり、少数派の行為であったことが理解され始めたのである。実際、ユダヤ人は、世界でも1300万人ほとの民族に過ぎない。彼らこそその「権力」「権威」主義を捨てなければならないのだ。

加えて、2008年以降、アメリカでシェールオイル開発が本格始動している。
シェールオイルとは、周知のように、シェールガス生産の技術を応用することによって、シェールガス同様、深度2,000~3,000メートルから生産される原油である。浸透率の低い岩石から、軽質油が豊富に生産される。軽質油というのは、価格の高いジェット燃料やガソリンが豊富に抽出できるために価格が高い。

シェールオイルの採取が始まり、米国のオイル生産は急拡大している。米国のオイル生産は、2007年の847万バレルから2011年には1014万バレルまで増加し、近い将来、アメリカは世界最大のオイル産出国になる見通しである。国際エネルギー機関(IEA)は、「米国が世界最大の石油産出国になるのは、2017年と予測している。

シェールガス、シェールオイルを開発している業者は、中小企業やベンチャー企業が多い。これは比較的少ない資金で開発できるからである。ベンチャー企業は、ほかに原油や天然ガスの資源を多く持たないため、これらの価格下落を気にせず、資源開発を進めることができる。つまりユダヤ・メジャー資本ではない、ということだ。

確かに、最近では、メジャーはシェール開発に成功したベンチャー企業の買収を進めている。しかし、彼らが開発を推進すれば、供給が増加し、さらに既得権をもった原油や天然ガスの価格も下落する。彼らのジレンマともなるのである。

シェールガス、シェールオイルの技術に使われるパイプのほとんどが、日本の製品である。原油や天然ガスは、多くの不純物を含むため、高い耐食性が要求される。「シェール革命」によって、米国経済成長率が高まれば、日本株に対して、大きなプラス要因となる。日本の中東に頼る石油への依存が少なくなるのである(藤田勉『シェール革命で日本は再浮上する』毎日新聞社、2013年)。

イラク戦争、アフガン戦争などが落ち着き、アメリカの軍事予算削減が予想され、それ以降、シェール革命の効果がさらに上がってくるであろう。中東の石油に、重要性が少なくなれば、それだけイスラエルへの関心が薄くなる。アメリカがイスラエル問題に関わるのは、中東の石油問題がからんでいたからである。

まさに現在、歴史は変わりつつある。戦後レジームの実態が、思想的にも経済的にも現在、崩壊しているからである。マスコミの踊らされない賢明な日本国民の多くは、そのことを、多かれ少なかれ実感じているに違いない。安倍政権はその実感を察知して、日本の戦後を狂わせた戦後レジームを正していかなければならない。